人工乾燥と天然乾燥の違いについて

 当社では、人工乾燥による檜柱材の生産を行っていますが、木材の乾燥方法には大きく分けて、人工乾燥と天然乾燥があります。ここでは、それぞれの違いやメリット・デメリットを、私どもの考えも交えてご説明いたします。

天然乾燥

tenkanhasira.jpg ごくごく簡単に言えば、日陰に干しておくだけです。 しかし割れや曲がりの発生を極力防ぐために、じつは非常に高度なノウハウが使用されています。

 左の写真は、当社にて天然乾燥をほどこしている、檜柱材(節もの)。乾燥不充分にならないよう、乾燥を始めた日付を書いています。

 

 

人工乾燥

jinkan.bmp 木材を乾燥庫に入れ、温度を上げて、木材内部の水分が移動しやすい状態を作り、湿度等をコントロールして、適切な乾燥を短期間で行うものです。

 左の写真は、当社にてこれから人工乾燥をほどこす檜柱(役物)です。 

 

 ところでこれらの方法には、それぞれのメリット・デメリットがあります。

 天然乾燥の場合、乾燥期間は半年以上(柱角の場合)。人工乾燥にはいろいろな方式があり一概には言えませんが、通常一週間から十日ぐらい(当社では二週間以上)が主流となっています。所要時間でいえば、圧倒的に人工乾燥が有利です。

 また、人工乾燥では温度を上げることによって、木材内部の水分が移動しやすいので、材の外側から内部まで、比較的均一に乾燥させることができ、このことが高い寸法安定性を生み出します。天然乾燥はあくまでも外側から徐々に水分を抜いていくので、内部の水分が残りがちになり、寸法安定性では劣ります。

 こう書くと、すべてにおいて人工乾燥がよいようですが、実はそうでもありません。

 人工乾燥とは、言い換えれば『木材を強制的に乾燥させる』ということであり、乾燥の過程で水分と一緒に木本来の脂分もいくらか抜けてしまいます。それを防ぐ工夫も行なっておりますが、やはり天然乾燥材の脂の乗り、ツヤにはかないません。年輪の細かい、もともと脂が多い木の場合はあまり違いを感じませんが、年輪の粗い木の場合はやはり見た目の色つやの違いは大きくなります。

 こういった事情により、人工乾燥も天然乾燥も、適材適所というかたちで使い分けられています。

 私どもの考えでは、最近多いプレカット工法(工場で木材を加工して現場に運び、現場では組み立てるだけ)には人工乾燥材が向き、昔ながらの熟練の大工さんが手道具で加工して組み立てる場合には天然乾燥材が向く、と思います。決してどちらかが優れているということではありません。

 ただし、どちらの乾燥方式も、乾燥期間が不十分ならば乾燥したことにはなりません。乾燥が不充分であるにも関わらず『乾燥材』と銘打った木材は、残念ながら今でも存在するようです。そういった製品が出回ることは、国産材そのものの評価を下げてしまうことにもなりかねません。ですから当社では、確実に充分な乾燥をほどこす、という点に力を入れている次第です。

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  ちなみにこういう機械で、木材の水分量を計測します。